【解説】立秋・処暑・白露・秋分・寒露
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立秋
「立秋」は八月七日ごろから始まる節気で、日本では高校野球が風物詩として定着しています。立秋以前に便りを出すと暑中見舞い、立秋以後は残暑見舞いと呼ばれます。
旧暦では立秋のころには秋の到来を感じていたようですが、現在では暑さが最も盛りを迎える時期として捉えられるようになっています。しかし夏の雲である入道雲よりも、いわし雲やうろこ雲が見られるようにあるため、確かに季節が変化しつつあることが分かります。
立秋は季節の変わり目において重要な日で、春夏秋冬の変わり目で「四立」と呼ばれるもののうちの一つです。
処暑、白露
「処暑」は八月二十日を過ぎた辺りから始まる節気であり、夏休みが終わるころにあたります。処という時には止まる、止むという意味があり、暑さが和らいで止まりゆくころであることを表現しています。
現在では八月後半はまだまだ暑く、和らいでいるなどとは感じられないのが通常とは言え、二十四節気の元となった中国の内陸性の気候では暑さの変化が十分に感じられていたようです。
この頃には冷たいものをたくさん食べて体調を壊す方が増えるため、旬のサンマや夏野菜を食べてスタミナを引き続き強化していくのが最善です。それに続く「白露」は、九月八日ごろに始まる秋を感じさせる季節の変わり目を指します。
「陰気ようやく重なり、露凝って白し」と言われるように、朝晩が幾分涼しくなり爽やかな露が草木を濡らすことから「露」の字を含んでいます。うろこ雲や黄金に輝くススキが見られるのもこの季節です。
秋分、寒露
「秋分」は、現在でも祝日として定着する暦日の一つで、九月の二十日を過ぎたあたりから始まります。秋分では太陽が真東から出て真西に沈むため、昼夜の長さがほとんど同じとなる日です。
西にある彼岸(仏様の世界)へ一直線に太陽が沈むことから現世である此岸との距離が最も縮まるとされ、お墓参りや先祖供養のいわゆるお彼岸を行います。暑さは明確に鳴りを潜めていくため、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるようになりました。
そして二十四節気で秋の最後を飾るのは「寒露」です。十月八日ごろに始まる寒露の時期には朝晩の冷えが明確になってくるため、衣替えや冬布団の支度などを行う習慣があります。
農家では作物の収穫が本番を迎えますが、その際に冷たい外気が空気を冷やして霜を発生させることから寒露と言われるようになりました。