【解説】立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
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立夏、小満
「立夏」は、五月六日ごろから始まり夏の到来を告げる暦日を指します。この頃には日差しは十分に暖かくなり、地域によっては暑いとすら感じられる気候にもなります。
日差しが強まるため疲れを感じやすい方も多く、本格的な暑さ対策が始まろうとする季節でもあります。端午の節句はこれとほぼ時を同じくし、男児の成長と出世を願って鯉のぼりを掲げます。
「小満」は立夏の次に来る節気で、五月の二十日ごろから始まります。麦の穂が実を結ぶさまや、虫が活発に活動し始めることから、万物が次第に長じて天地に満ち始める=小満と言われるようになりました。
あるいは秋に収穫する作物が芽を出し始めるため、一安心=小さな満足という意味で小満とも言われます。梅雨に入る前の最後の爽やかな季節です。梅雨に似た天気は「走り梅雨」と呼ばれます。
芒種、夏至
「芒種」は六月六日ごろから始める節気で、夏至という本格的な夏を前にいよいよ気候が変化していく季節です。
麦や稲など芒(のぎ。小穂の先端にある棘)のある穀物の種を撒く季節というところからこう呼ばれるようになりました。
五月雨(さみだれ)が降り、梅雨入りして湿気で溢れるような気候となります。梅が熟すため梅干や梅酒の仕込みが始まり、蛍の光が見られるようになるのもこの時期です。長く続く雨の様子から、物事がだらだらと続くことを五月雨式と言います。
「夏至」は六月二十日から始まる節気で、ご存知のように一年のうちで最も日照時間が長くなる暦日です。最も短い「冬至」と比べると、最大で5時間の違いがあると言われています。
この夏至を境に日照りは暑さを増していき、秋が到来するまで暑さが非常に厳しい季節が続きます。
小暑、大暑
夏至の次は「小暑」です。七月七日ごろから始まるこの節気は、日本を代表する伝統行事「七夕」を含む最も印象的な時期に入ります。前述のように、夏至を過ぎた小暑は暑さが本番に入り、あまりにも厳しい暑さから暑中見舞いを送る習慣ができました。
七夕は季節の変わり目を定めた五節句のうちの一つで、中国の伝統行事から筆や和歌の上達を願って短冊を書くようになりました。そして、夏の最後には暑さを締めくくる「大暑」がやってきます。
七月二十二日ごろに始まる大暑は、「う」の付く食べ物を食べることで縁起と体力をかせぐ習慣があります。夕方に打ち水で地面を冷やすのも風物詩ですが、もともとは神様が通る道を清めていたと言われています。